海外の大きな大会の上位デッキで気になった二つのアーキタイプ。
赤好きとして、どこが違うのか?などを軽く考察してみる。
まあ、自分用のメモ的なものである。(前書き)
前回のエントリではデッキサンプルを載せたので、今回は本文。
●基本
どちらも赤単ビートダウン。軽いクリーチャーを出し、火力と併せて相手のライフを迅速に20点削るという、
赤単の基本の動きをするデッキである。
どちらのデッキでも採用率の高いパーツは
《燃え上がる憤怒の祭殿/ Shrine of Burning Rage》《渋面の溶岩使い/ Grim Lavamancer》
《チャンドラのフェニックス/ Chandra’s Phoenix》《流城の貴族/ Stromkirk Noble》
《嵐血の狂戦士/ Stormblood Berserker》《硫黄の流弾/ Brimstone Volley》
《火葬/ Incinerate》《山/ Mountain》
このあたり。
・《流城の貴族/ Stromkirk Noble》
新カードでありながら既に使用率が高いカード。
先達がいない今の1マナの基本アタッカーになりそうな感じである。
《精鋭の先兵》などの2/1生物と比べると、4回本体に通った時点でようやくダメージ量を逆転し始めるが、
そもそも二回通って3/3になった時点でサイズもそこそこ、相手も相打ちしづらくなる。
初手の動きとしてはかなり強い。
勿論、人間にブロックされないというのも大きな強みである。
・《渋面の溶岩使い/ Grim Lavamancer》
フェッチランドがなくなった事も関係なしに投入されている優秀カード。
ただ、餌の大幅減少により以前のように何も考えず4枚入れられるものではなくなったし、1T目に出しても2T目最速起動はできず、
動きだすのは大分遅くなったと言える。
各種火力の他、《ゴブリンの付け火屋》《焼炉の悪獣》等、進んで墓地に落とすような生物とも相性が良い。
・《チャンドラのフェニックス/ Chandra’s Phoenix》
鷹がいなくなり、相対的に強化されたカード。
さながらアラーラ~ゼンディカーブロック間の《地獄の雷》のような運用ができるだろう。
手札に戻す効果は、《霊炎》《電弧の痕跡》あたりと特に相性がいい。
(前者は二回唱えられる点、後者は生物を除去しながらプレイヤーにもダメージを与えられる点)
・《硫黄の流弾/ Brimstone Volley》
新カード。説明不要の強さである。インスタントなので割と陰鬱効果を狙えるが、
自分のクリーチャーも多いようなデッキで使わないと意外と陰鬱条件を満たしにくい。
というか、自然な流れで陰鬱で唱えるのは結構難しかったりする。
除去として使う場合は、同じ五点の《四肢切断》が比較対象になるだろう。
●「Mono Red」の特徴
土地は基本的に山のみなので、とにかく安定感がある。
コスが最大級の働きをする。
●「Red Wolf Run」の特徴
新アーキタイプ。
ほぼ《ケッシグの狼の地/ Kessig Wolf Run》を使う為だけに緑にタッチした形である。
基本的に緑ソースもM10ランドと傷跡ランドのみなので、事故がなければ単色に比べて速度も落ちる事はない。
ただ、赤緑土地とケッシグを固め引いてしまう事によって、土地がタップインになってしまう危険性もある。
(前環境で「ゴブナイトタッチ闇の後見」をしばらく使っていた身としては、この事故はちょっと怖い)
後は、特殊地形が多いのでコスを完全に使いこなす事はできないという欠点はある。(+1に関してはほぼ変わりない)
それ以外は、赤単から少しカードプールが広がった程度の違い。
特筆すべきカードは、
・《ケッシグの狼の地/ Kessig Wolf Run》
デッキ名に使われてるカード。無色マナしか出ないのと、二個並んでもあまり意味がないということで、4枚まではいらない。
中盤以降の打撃力UP、相打ち狙いなどができる優秀な土地。
また、全体除去をケアして生物をあまり並べないという動きをしても、この土地を起動する事でテンポを損なわずにビートをできる。
トランプルが《無謀な浮浪者》と相性が良く、共に使われる事が多い。
・《無謀な浮浪者》
優秀な1マナアタッカー。
普通の赤単でも使えるが、《ケッシグの狼の地》と相性がいい為、共に使うのがいいと思われる。
変身後の3/2というサイズは赤単の生物の中では大きい方であり、トランプルを比較的使いこなす事ができるのだ。
このカードの欠点はやはり、狼男という不安定さ。
遅いデッキ相手には簡単に変身でき、2ターン目から3/2でビートするのも容易である。
しかし、同系が1マナでのアクションが多いデッキが相手だと、いつまでも1/1でいわゆる「モンス」に成り下がってしまう。
「自分のターンに呪文を唱えない事で無理やり変身させる」という事も可能だが、状況によるがテンポが落ちる為基本的に強くない動きであり、ターンエンドに相手にインスタントを唱えられて変身失敗、という事も起こりうる。
しかしこの「自分のターンに呪文を唱えない事で無理やり変身させる」という動きも、
《ケッシグの狼の地》を使う事で呪文を唱えなくてもマナを無駄にせずに自分のターンを終える事が可能になり、ある程度欠点のカバーをできるようになる。
いずれにせよ、相手の動きに左右されるので、このカードの強さはメタ次第である。
・《情け知らずのガラク/ Garruk Relentless》
人の好みによる枠。緑のソースが8~9枚程とは言え、4マナ出る頃には赤緑土地が一枚は場にあるだろうと考えれば、十分安定して出せる。
飛行には弱いが、地上系のビートには滅法強い。空中相手でも《チャンドラのフェニックス》と併せれば、
時間稼ぎをしている間に十分なアドを稼げる。
2/2狼を出す以外の能力はまだ未知数な部分が多いが、
裏面の+1効果である「1/1接死の狼を出す」というのは、赤単の苦手なダングローブなどへの打開策になるのではないだろうか。
・《解放の樹/ Tree of Redemption》《古えの遺恨/ Ancient Grudge》
サイドのカード。解放の樹は同型に対して多大なライフアドバンテージを生み出す。赤英雄には注意。
古えの遺恨は、万が一緑マナが出なくても十分な働きをし、フラッシュバックができれば茶色い相手の動きをガタガタにできる強力サイドカード。
●つまり?
「Wolf Run Red」の《ケッシグの狼の地》は強い。
けど、《無謀な浮浪者》が足を引っ張ってるのかなぁと思う。
実際の対戦結果などは見てないからわからないけど、今回のように上位に赤単が多いと、
《無謀な浮浪者》が弱くなってしまう。
後は緑をタッチする事によるメリットと、土地事故のリスクの兼ね合い。
まあ、基本的な構成自体はほぼ同じなので、同じ赤好きでも、最終的にどちらを選ぶかは単に好みの問題になるのかもしれない。
もちろん同じ赤単でも、速攻ビートにせずに「うねりデッキ」みたいなビッグレッドを選択する人もいるだろうしね。
おっと、このデッキについては次回話すとしよう。
めでたし。
赤好きとして、どこが違うのか?などを軽く考察してみる。
まあ、自分用のメモ的なものである。(前書き)
前回のエントリではデッキサンプルを載せたので、今回は本文。
●基本
どちらも赤単ビートダウン。軽いクリーチャーを出し、火力と併せて相手のライフを迅速に20点削るという、
赤単の基本の動きをするデッキである。
どちらのデッキでも採用率の高いパーツは
《燃え上がる憤怒の祭殿/ Shrine of Burning Rage》《渋面の溶岩使い/ Grim Lavamancer》
《チャンドラのフェニックス/ Chandra’s Phoenix》《流城の貴族/ Stromkirk Noble》
《嵐血の狂戦士/ Stormblood Berserker》《硫黄の流弾/ Brimstone Volley》
《火葬/ Incinerate》《山/ Mountain》
このあたり。
・《流城の貴族/ Stromkirk Noble》
新カードでありながら既に使用率が高いカード。
先達がいない今の1マナの基本アタッカーになりそうな感じである。
《精鋭の先兵》などの2/1生物と比べると、4回本体に通った時点でようやくダメージ量を逆転し始めるが、
そもそも二回通って3/3になった時点でサイズもそこそこ、相手も相打ちしづらくなる。
初手の動きとしてはかなり強い。
勿論、人間にブロックされないというのも大きな強みである。
・《渋面の溶岩使い/ Grim Lavamancer》
フェッチランドがなくなった事も関係なしに投入されている優秀カード。
ただ、餌の大幅減少により以前のように何も考えず4枚入れられるものではなくなったし、1T目に出しても2T目最速起動はできず、
動きだすのは大分遅くなったと言える。
各種火力の他、《ゴブリンの付け火屋》《焼炉の悪獣》等、進んで墓地に落とすような生物とも相性が良い。
・《チャンドラのフェニックス/ Chandra’s Phoenix》
鷹がいなくなり、相対的に強化されたカード。
さながらアラーラ~ゼンディカーブロック間の《地獄の雷》のような運用ができるだろう。
手札に戻す効果は、《霊炎》《電弧の痕跡》あたりと特に相性がいい。
(前者は二回唱えられる点、後者は生物を除去しながらプレイヤーにもダメージを与えられる点)
・《硫黄の流弾/ Brimstone Volley》
新カード。説明不要の強さである。インスタントなので割と陰鬱効果を狙えるが、
自分のクリーチャーも多いようなデッキで使わないと意外と陰鬱条件を満たしにくい。
というか、自然な流れで陰鬱で唱えるのは結構難しかったりする。
除去として使う場合は、同じ五点の《四肢切断》が比較対象になるだろう。
●「Mono Red」の特徴
土地は基本的に山のみなので、とにかく安定感がある。
コスが最大級の働きをする。
●「Red Wolf Run」の特徴
新アーキタイプ。
ほぼ《ケッシグの狼の地/ Kessig Wolf Run》を使う為だけに緑にタッチした形である。
基本的に緑ソースもM10ランドと傷跡ランドのみなので、事故がなければ単色に比べて速度も落ちる事はない。
ただ、赤緑土地とケッシグを固め引いてしまう事によって、土地がタップインになってしまう危険性もある。
(前環境で「ゴブナイトタッチ闇の後見」をしばらく使っていた身としては、この事故はちょっと怖い)
後は、特殊地形が多いのでコスを完全に使いこなす事はできないという欠点はある。(+1に関してはほぼ変わりない)
それ以外は、赤単から少しカードプールが広がった程度の違い。
特筆すべきカードは、
・《ケッシグの狼の地/ Kessig Wolf Run》
デッキ名に使われてるカード。無色マナしか出ないのと、二個並んでもあまり意味がないということで、4枚まではいらない。
中盤以降の打撃力UP、相打ち狙いなどができる優秀な土地。
また、全体除去をケアして生物をあまり並べないという動きをしても、この土地を起動する事でテンポを損なわずにビートをできる。
トランプルが《無謀な浮浪者》と相性が良く、共に使われる事が多い。
・《無謀な浮浪者》
優秀な1マナアタッカー。
普通の赤単でも使えるが、《ケッシグの狼の地》と相性がいい為、共に使うのがいいと思われる。
変身後の3/2というサイズは赤単の生物の中では大きい方であり、トランプルを比較的使いこなす事ができるのだ。
このカードの欠点はやはり、狼男という不安定さ。
遅いデッキ相手には簡単に変身でき、2ターン目から3/2でビートするのも容易である。
しかし、同系が1マナでのアクションが多いデッキが相手だと、いつまでも1/1でいわゆる「モンス」に成り下がってしまう。
「自分のターンに呪文を唱えない事で無理やり変身させる」という事も可能だが、状況によるがテンポが落ちる為基本的に強くない動きであり、ターンエンドに相手にインスタントを唱えられて変身失敗、という事も起こりうる。
しかしこの「自分のターンに呪文を唱えない事で無理やり変身させる」という動きも、
《ケッシグの狼の地》を使う事で呪文を唱えなくてもマナを無駄にせずに自分のターンを終える事が可能になり、ある程度欠点のカバーをできるようになる。
いずれにせよ、相手の動きに左右されるので、このカードの強さはメタ次第である。
・《情け知らずのガラク/ Garruk Relentless》
人の好みによる枠。緑のソースが8~9枚程とは言え、4マナ出る頃には赤緑土地が一枚は場にあるだろうと考えれば、十分安定して出せる。
飛行には弱いが、地上系のビートには滅法強い。空中相手でも《チャンドラのフェニックス》と併せれば、
時間稼ぎをしている間に十分なアドを稼げる。
2/2狼を出す以外の能力はまだ未知数な部分が多いが、
裏面の+1効果である「1/1接死の狼を出す」というのは、赤単の苦手なダングローブなどへの打開策になるのではないだろうか。
・《解放の樹/ Tree of Redemption》《古えの遺恨/ Ancient Grudge》
サイドのカード。解放の樹は同型に対して多大なライフアドバンテージを生み出す。赤英雄には注意。
古えの遺恨は、万が一緑マナが出なくても十分な働きをし、フラッシュバックができれば茶色い相手の動きをガタガタにできる強力サイドカード。
●つまり?
「Wolf Run Red」の《ケッシグの狼の地》は強い。
けど、《無謀な浮浪者》が足を引っ張ってるのかなぁと思う。
実際の対戦結果などは見てないからわからないけど、今回のように上位に赤単が多いと、
《無謀な浮浪者》が弱くなってしまう。
後は緑をタッチする事によるメリットと、土地事故のリスクの兼ね合い。
まあ、基本的な構成自体はほぼ同じなので、同じ赤好きでも、最終的にどちらを選ぶかは単に好みの問題になるのかもしれない。
もちろん同じ赤単でも、速攻ビートにせずに「うねりデッキ」みたいなビッグレッドを選択する人もいるだろうしね。
おっと、このデッキについては次回話すとしよう。
めでたし。
コメント
輪を張らざるを得ないカードが多いと、
コス除去しにくくなっていいねえ
赤t緑にするとガラクのトークンで持久戦もできるのがかなり強いですね。
後半引いた極楽鳥が狼の地で強化されながら殴ってくるのも厄介です。
ガイドが落ちてどうなるかと思いましたがまだまだ赤強いですねぇ。
チャンフェニはすっごい強いけど、回してみた感じだと、
土地が結構ないと使いこなせないんよね。23か24かしら。でも色んな意味でPW守れたりするし強いね
>テールさん
こちらこそありがとうございます><
ガラクはほんと、対処しづらいデッキに対しては無双しますね!
確かに極楽鳥入れたりするデッキにもケッシグはいいですよねえ。
赤単タッチケッシグでも、緑単タッチケッシグでも早くも結果を出してるので、
なかなか興味深い土地です。